
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 密閉ダイナミック型(オンイヤー)φ40mm ネオジウム・マグネットドライバー |
| 再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20,000Hz |
| インピーダンス | 32 Ω(±15%) |
| 感度 | 103 dB/mW (±4dB) |
| ケーブル | 着脱式フラットケーブル(長方形・きしめ型) 片出し(本体側:2.5mmミニプラグ / 機器側:3.5mm金メッキステレオミニ) |
総評
KEF M500は、英国の名門スピーカーメーカーKEFが培った高い音響技術と、洗練された精密アルミデザインが見事に融合した密閉型ポータブルオンイヤーヘッドホンです。
最大の特長は、スピーカーブランドらしいナチュラルで歪みのないフラットなバランスと、広がりのあるクリアなサウンドです。低域から高域まで過度な強調がなく、原音に対して忠実かつ自然な音繋がりを見せます。スマートヒンジ機構と低反発メモリーフォームパッドによる装着感の良さも優れており、長時間のリスニングでも耳への負担が少ない設計になっています。
刺激的なドンシャリ感や強烈な重低音を求める人には少し大人しく感じられる場合もありますが、音の濁りがなく、アコースティック楽器やボーカルの質感を上品かつ高精細に鳴らし切ります。ポータブル機としての高い携帯性と、上品で完成度の高い高音質を両立した名作ヘッドホンです。
高域
KEF M500 の高域は、伝統のスピーカー技術を感じさせる歪みがなく素直で、滑らかに伸びる上品なサウンドが特徴です。
CCAW(銅覆アルミ線)ボイスコイルと高精度なドライバー設計により、応答性が高くクリアな発音を実現しています。金属楽器の打鍵音やシンバルの余韻、バイオリンの倍音などを刺さることなくきれいに描き出し、透明感あふれるサウンドを展開します。過度に輪郭を強調して耳を刺激するようなギラつき感(シャリ感)は一切なく、聴き疲れしにくい上質な質感を備えています。
開放的で癖のないトーンは音場に自然な広がりを生み出し、空気感の表現にも優れています。派手さや鋭さを押し出すタイプではありませんが、解像度を保ちながらも滑らかで質感の高い高域は、クラシックやアコースティック音源はもちろん、繊細なボーカル曲の魅力を最大限に引き立てる洗練された音作りです。
中域
KEF M500 の中域は、高級スピーカー作りで培われたノウハウが色濃く反映された、極めてナチュラルで解像度が高く、クリアな質感が最大の特徴です。
不要な響きや共振を抑えたアルミ構造と精密な音響設計により、ボーカルや主要なアコースティック楽器の音が極めてストレートに響きます。ボーカルの位置感は近すぎず遠すぎず自然な距離感に配置され、息づかいや滑らかな声のニュアンス、ピアノやギターの響きを一切濁らせずに生き生きと描写します。
特定の中高域を際立たせて華やかさを演出するのではなく、帯域全体としての滑らかな繋がりと正確な音色(トーン)を重視した音作りです。密閉型特有のこもり感を感じさせない開放的でクリアな中域は、どんなジャンルでも聴きやすく、特にボーカル曲やアコースティックな音源において表現力の高さを存分に感じられます。
低域
KEF M500 の低域は、過剰な量感で誇張することなく、正確な音程感と適度な肉厚さを兼ね備えた上品で自然なサウンドが特徴です。
ポータブル機にありがちなブーミーな重低音や膨らみすぎた低域とは一線を画し、バスドラムのアタックやベースラインの音の立ち上がりをクリアかつタイトに捉えます。音響チャンバー内に配されたチューニングプレートの効果により、低い帯域まで濁りなくすっきりと見通しの良い質感を実現しています。
脳を揺さぶるような爆発的な重低音を求めるリスナーには少しあっさりと感じられるかもしれませんが、中域(ボーカル帯域)を一切邪魔することのない絶妙な力加減と解像度を備えています。アコースティックベースの豊かな響きや、ドラムの自然な打音の余韻を心地よく響かせる、スピーカーブランドらしいナチュラルで質感重視のスマートな低域表現です。
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