
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 10mm ダイナミックドライバー(DMT5)+ 1BA(1DD+1BA 同軸ハイブリッド) |
| 再生周波数帯域 | 8Hz ~ 48,000Hz |
| インピーダンス | 30Ω ±10% |
| 感度 | 121dB/Vrms |
| ケーブル | 0.78mm 2Pin 3.5mm シングルエンド / 4.4mm バランス / DSP (Type-C) |
総評
TANCHJIM OLA IIは、初代OLAの「クリアな見通し」と「女性ボーカルの美しさ」を継承しつつ、同軸1DD+1BA構成へと刷新された本格派リスニングモデルです。
最大の魅力は、高音の刺激を抑えつつ一音一音の輪郭を捉える高い分離性能です。中高域の滑らかさは健在で、女性ボーカルだけでなく男性ボーカルやベースラインの厚みも向上。適度な沈み込みとパンチ感のある低域が土台を支え、音楽の持つ力強さや立体感をしっかり描き出します。高域の過度なギラつきを削ぎ落としたチューニングにより、長時間のリスニングでも聴き疲れしません。
初代のような「原音チェック的なフラットさ」から、一歩踏み込んで「楽曲の迫力や感情を解像感高く楽しむ音」へと進化した、アンダー1万円台でも完成度の高い一台です。
高域
TANCHJIM OLA IIの高域は、同軸上に追加されたBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーにより、伸びやかさと高い分離感を実現しつつ、角を綺麗に丸めたマイルドさが大きな特徴です。
BAドライバー特有の解像感とレスポンスの良さを活かし、シンバルやハイハットの打音、アコースティック楽器の繊細な響きを最後まで美しく描き出します。一方で、金属的な過剰なキラキラ感や鋭い刺激感は徹底して抑え込まれており、刺さりのない自然でマイルドな質感に整えられています。
低音域やボーカルを引き立てる「一歩引いたポジション」を保ちながらも、背景で鳴る細かい音をしっかり分離して見通しを良くしてくれるため、長時間聴いていても耳が疲れにくいバランスに仕上がっています。高音の刺さりが苦手な方でも安心して楽しめる上品なチューニングです。
中域
TANCHJIM OLA IIの中域は、初代で高評価だった「女性ボーカルの透き通る美しさ」を守りつつ、声にさらなる芯と厚みを加えた力強い描写が大きな魅力です。
ボーカルが中央前方にグッと迫るような存在感があり、息遣いやブレスなどの細かなニュアンスまで極めてクリアに描き出します。初代OLAではややスッキリしすぎて軽く聴こえがちだった男性ボーカルや低い発声に対しても、しっかりと音の土台と厚みが加わり、声本来の質感や感情をリアルに届けてくれます。
また、新採用の同軸ドライバー構成により、周囲のギターや鍵盤といった楽器群との分離性能も非常に優秀です。ボーカルを邪魔することなく、演奏の持つ深みやディテールを立体的に引き立ててくれます。
「ただ見通しが良い」という段階を超え、ボーカルの艶やかさと楽曲全体の力強さを両立させた、非常に満足度の高い中域表現に進化しています。
低域
TANCHJIM OLA IIの低域は、初代OLAで控えめだった量感や厚みをしっかりと補い、適度な重みと沈み込みを備えた力強いサウンドへと進化しています。
最低域まで素直に沈み込む深みとキレのある打点力を併せ持っており、キックドラムの打ち込みやベースラインのグルーヴをくっきりとクリアに描き出します。ボワつきや無駄な膨らみを抑えたタイトな質感を保っているため、低音が増したからといって中高域を覆い隠してしまうような濁りは一切ありません。
楽曲全体の重心を一段下げることで音に確かな土台とディテールを生み出し、迫力や音楽的な楽しさを力強く引き立ててくれます。低音重視の重低音モデルほど過剰な主張はしませんが、初代からの美点である「透明感や音の見通しの良さ」を破綻させずに、解像感の高いパンチ力と深みを両立させた非常にバランスの良い低域表現です。
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