
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | カナル型 2ウェイハイブリッドインイヤーモニター(1 BA + 8mm ダイナミック) |
| 再生周波数帯域 | 17 Hz ~ 21,000 Hz |
| インピーダンス | 20 Ω |
| 感度 | 106 dB (@0.1V SPL/1kHz) / SPL: 119 dB |
| ケーブル | MMCX端子 着脱式(着脱可能なOFCケーブル2本付属)3.5mmステレオミニ |
総評
ULTRASONE「IQ」は、同社の看板ヘッドホン「Edition 8」のサウンド思想をインイヤーサイズへと昇華させた、2Wayハイブリッド(1BA+8mmDD)構成のプレミアムIEMです。
最大の美点は、高剛性ダイキャストメタル筐体が生み出す引き締まったレスポンスと、密閉型カナルでありながら立体的な広がりを感じさせる独特の音場表現です。BAドライバーが司る緻密で密度の高い中高域と、強力なネオジウムマグネット搭載ダイナミックドライバーによる沈み込み豊かな重低音が絶妙に融合。解像度を前面に出す冷徹なサウンドではなく、豊かな低域のグルーヴ感と情熱的なボーカルの温かみを兼ね備えています。
上質な金属筐体の美観と剛性を備え、ULTRASONE特有の重厚で躍動感あふれる音響世界をコンパクトにパッケージングした、ブランドの個性が凝縮された名機です。
最初聴いたとき(購入時)は、比較的シャカシャカした鳴り方だなあと思っていましたが、改めて聴くと Edition8 に似た鳴り方をするなぁと感じます。
高域
ULTRASONE「IQ」の高域は、過度な刺激やキンキンとした刺さりを排し、芯の通った確かな解像感と密度の高さを備えた滑らかな描き出しが特徴です。
中高域を担う専用のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーが搭載されていますが、高域のピークを強調してカリカリとした解像度感を演出する手法とは一線を画しています。高剛性なダイキャストアルミ&メタルハウジングが不要な共振を徹底的に制動することで、シンバルやアコースティック楽器のハイハット音も角が取れた上質な質感で表現します。
超高域まで見通すクリアさや爽快な伸び感を前面に出すタイプではなく、落ち着きと質感の良さを重視したチューニングです。ダイナミックドライバーが生成する豊かな低域やボーカルの帯域とスムーズに繋がり、全体の音響バランスを崩すことなく全体の解像感と立体的な音場形成をしっかりと支えています。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、声の伸びが素晴らしく、声を張った時でも音圧が厳しくなることもなく滑らかな聴き味でした。若干のホールトーンが伸びた後に残りますが、うるさいというほどではなく自然な感じです。音場も若干広めに感じられます。
宮本笑里の「Marina Grande」ではヴァイオリンの音が若干強めに出ます。ボーカルの声を張った時と同様に弦の響きがうるさいまではいかない微妙な匙加減でした。
中域
ULTRASONE「IQ」の中域は、同社のアドバンスト・ハイブリッド技術と剛性に優れたダイキャストメタル筐体によって生み出される、非常に濃密で温かみのある情熱的なボーカル表現が特徴です。
BAドライバーがもたらす精緻な描写力により、ボーカルの息遣いや子音のディテール、弦楽器の繊細な響きをブレなく立体的に立ち上げます。冷たくドライな分析的サウンドではなく、声や楽器の質感に肉厚な自然な温度感と艶が乗るチューニングが施されています。
低域を担当する8mmダイナミックドライバーとのクロスオーバー設計が極めて滑らかで、中低域が濁ったりボーカル領域に被ったり(マスク)することはありません。アンサンブルの中でもボーカルが自然と中央に一歩前へ浮き上がり、解像度の高さと心地よい情感の豊かさを高次元で両立させた見事な中域表現です。
Rassell Watsonの「Nella Fantasia」では、男性ボーカルが気持ちよく響き、バックの音に埋もれることなく綺麗に鳴らしています。
宇多田ヒカルの「Traveling」でもボーカルが前に出て気持ちよく聴けます。また低域が抑え気味な事もあり、一層ボーカルが引き立っています。人によっては若干シャカシャカしている様に感じられるかも知れません。「Final Distance」では冒頭のリップノイズからしっとり鳴らしてくれます。
低域
ULTRASONE「IQ」の低域は、強力なネオジウムマグネットを搭載した8mmダイナミックドライバーと高剛性メタル筐体が奏でる、深く沈み込む重厚感と弾力性を備えた力強いサウンドが特徴です。
ダイキャスト・アルミニウムとダイキャスト・メタルのハイブリッド筐体が不要な共振を徹底的に抑え込むことで、量感がありながらもボヤけやブーミーさを排した引き締まった低音再生を実現しています。エレクトリックベースの太いアタック感やバスドラムのタイトなパンチ力がしっかりと表現され、楽曲全体に心地よいリズムと深いグルーヴ感をもたらします。
BAドライバーが司る中高域との繋がりも非常にスムーズで、量感ある低域がボーカルやメイン楽器の領域を侵害すること(音被り)がありません。低音の深み・スケール感とハイスピードな応答性を完璧に融合させた、ULTRASONEらしい躍動感にあふれる低域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域の沈み込みはそこまでズーンという感じではなく程よい沈み具合です。低域を過剰に強調しない点では好感が持てます。
Rassell Watsonの「Nella Fantasia」でも同様にドーンという音はそこそこに抑えられています。
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