
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 2ドライバーハイブリッド(片側:1DD + 1BA) ・高域/中高域用:米国Knowles製 33518 バランスド・アーマチュア × 1基 ・低域用:8mm 二重磁気回路(Dual-magnet)ダイナミックドライバー × 1基 |
| 再生周波数帯域 | 10 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 16 Ω |
| 感度 | 107 dB/mW |
| ケーブル | MMCX 着脱式(3.5mm L型ステレオミニプラグ、長さ 1.25 m) |
総評
TRN TA1は、ノズル近傍に配置された米国Knowles社製BA「33518」1基と、8mmデュアルマグネットダイナミックドライバー1基を組み合わせた1DD+1BA構成のコンパクトなフルメタルハイブリッドモデルです。高精度な亜鉛・マグネシウム合金筐体を採用し、高い質感と優れた制振性を備えています。
Knowles BA特有の明瞭で伸びやかな高域と、繊細で解像感の高いボーカル表現が際立ち、8mm DDが締まりのあるスマートな低域を下支えします。金属筐体によるクリアな響きと音場の広がりがあり、全帯域においてスピード感と分離感に優れたソリッドで高精度なサウンドを展開します。
耳に収まりやすい小ぶりな弾丸型デザインとMMCXコネクタを採用し、手頃な価格帯でありながら本物のKnowles BAによる上質な高音域と高い解像感を余すことなく堪能できる高完成度な一台です。
高域
TRN TA1の高域は、ステム(ノズル)先端近くに配置された米国Knowles製BAドライバー「33518」がもたらす、極めて高い透明感と繊細な解像感を備えた見通しの良さが最大の特徴です。音導管の減衰を最小限に抑える設計により、高音域の微細なニュアンスまでダイレクトに表現します。
金属筐体の制振効果も相まって余計な濁りや歪みがなく、シンバルの鋭いアタック音やハイハットの余韻、アコースティック楽器の繊細な倍音成分をシャープかつきめ細やかに描き出します。明瞭度が高くクリアでありながらも刺さりや耳につく金属的な不快感は上手にコントロールされています。
Knowles BAならではの伸びやかで品のある解像感を提供し、楽曲全体の空間表現に澄み渡るような広がりとスピード感をもたらす、極めて高品質な高音域表現です。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、ボーカルと共にバックのチェンバロの音も良く聴こえ分解能も問題ない感じを受けました。声を張った時も破綻せず滑らかな高域を聴かせてくれました。
中域
TRN TA1の中域は、ノズル近傍に直置されたKnowles製BAが活きる、解像度が高くボーカルの輪郭が明瞭に浮かび上がるクリーンなサウンドが特徴です。低音域の被りが一切なくクリアに見通せるため、ヴォーカルの発音やブレス、息づかいの生々しいニュアンスを繊細に捉えます。
金属筐体の響きとBAの反応の良さが相まって、アコースティックギターのピッキングやピアノのストロークなどの明瞭度が高く、音の立ち上がりがソリッドで俊敏です。歪みが極めて少なくサ行の刺さりも抑えられているため、長時間のリスニングでも快適です。
過度な色付けやブーストを行わず、自然で癖のないストレートな帯域バランスを保っています。男女ボーカルを問わず距離感が適度で分離感に優れ、現代的なJ-POPやアニソン、アコースティック音源の細部まで鮮明に描き出す高品質な中音域表現です。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、ボーカルもさることながらバックの音も結構聴こえるので、聴いているとドンシャリ的な音ではないかと思います。「Final Distance」を聴くとボーカルとバックの音(主にピアノとストリングス)が良い感じに混ざり合う様に聴こえました。
Russell Watsonの「Nella Fantasia」では、ボーカルが比較的低域に近いこともあり、少しボリューミーな感じを受けました。
低域
TRN TA1の低域は、8mm径の二重磁気回路(デュアルマグネット)ダイナミックドライバーが担う、過剰な膨らみを排したタイトでレスポンスの速い締まりのあるサウンドが特徴です。量感で力押しするタイプではなく、スピード感とアタックの瞬発力を重視したソリッドな低音域を形成します。
亜鉛・マグネシウム合金筐体の高い制振性により不要な共振やボワつきが抑えられており、ベースラインの音階変化やキックドラムのアタックが非常に明瞭に聴き取れます。低域が中高域を覆い隠すことがないため、Knowles BAによるクリアなボーカルや楽器の繊細なディテールをしっかり引き立てます。
重低音(サブベース)の沈み込みも過不足なく備えており、スマートでありながらもしっかりとしたボトムラインを提供します。テンポの速い現代的な楽曲やアコースティックな音源において、テンポ感を活かす上質な低音表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域の沈み込みは程々、ズーンという音は聴こえますが圧力を感じるような低域表現ではないです。逆にヴァイオリンの音は自然で、音圧がかかる部分でも聴いていて辛いほどのボリュームではないため非常に聴きやすいです。
Russell Watsonの「Nella Fantasia」でも低域の出は程々、過剰な出方はしませんでした。
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