
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 密閉ダイナミック型(カナル型)6.8mm ダイナミックドライバー × 1基 |
| 再生周波数帯域 | 4 Hz – 90,000 Hz |
| インピーダンス | 16 Ω |
| 感度 | 96 dB |
| ケーブル | 3.5mm ステレオミニプラグ(リケーブル不可) |
総評
NAGAOKA P609は、超小口径6.8mmダイナミックドライバーと高剛性アルミハウジングを組み合わせ、4Hz〜90,000Hzという超広帯域再生を実現したハイスピードで明瞭度に優れたドンシャリ寄りのハイレゾ特化型モデルです。
小口径ならではの抜群のレスポンス性能を誇り、立ち上がりの速いキレのある打撃感と、細部まで鋭く見通せる高解像度な中高域を巧みに両立しています。低音は量感に頼らず引き締まったタイトなアタックを魅せ、中高域は伸びやかでヴォーカルや楽器の明瞭度をくっきりと浮き彫りにします。
アルミ削り出しハウジングによる不要振動の抑制が功を奏し、音源の解像感とメリハリを際立たせたクリアなリスニング体験を提供します。ハイレゾ音源の持つ広大なレンジ感とスピード感あるキレを楽しみたいリスナーに最適なコンパクトな実力派機です。
全般的にボーカルはおとなしめ、低域は少し強め、高域はそこそこだけどキラキラ感がない、みたいな全体的なバランスとしてはそこそこ整っていると思われますが、キレについては試聴曲の関係であまりチェックができませんでした。
高域
NAGAOKA P609(美音 – VINON)の高域は、超小口径6.8mmドライバーと90,000Hzにおよぶ超広帯域設計がもたらす、シャープで鋭いアタック感とクリアな輪郭表現が特徴です。高剛性なアルミ削り出しハウジングが不要振動を効果的に抑え込み、濁りのないハイクオリティな高音域を響かせます。
小口径ならではの反応速度(レスポンス)の高さを活かし、シンバルやハイハットの打撃感、電子音の際立ちをくっきりと明るく浮き彫りにします。エッジがシャープに立ち上るため、音源のディテールを鋭く捉えるメリハリの効いた描写を得意とします。
ウォームな響きよりもソリッドな解像感を追求したチューニングであり、アタックのキレや粒立ちの良さが際立つ、ハイレゾ対応機らしい見通しの良い明瞭な高音域表現です。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、突き抜ける高音といった感じがなくややおとなしめの感じを受けます。声を張った時の音圧もそれほどでなく、ある意味では落ち着いて聴いていられるのですが、ソプラノの突き抜ける高音が好きといった向きにはちょっと残念な感じになるでしょう。
中域
NAGAOKA P609の中域は、6.8mm小口径ドライバーの俊敏なレスポンスを生かした、輪郭が明瞭で埋もれにくいクリーンなボーカル・楽器表現が特徴です。低域の量感で圧迫されることがなく、立ち上がりの速いタイトな音響設計により、音像がくっきりと前に浮き彫りになります。
温かみや豊かな響きを乗せるウォーム傾向ではなく、音源の解像感とメリハリを際立たせるドライでソリッドな音調です。ボーカルの発音やアコースティックギターのピッキング、ストリングスの鋭い擦過音など、音の立ち上がり(アタック感)をシャープに描き出します。
全体のV字寄りのチューニングの中でもボーカル帯域の視認性が保たれており、スピード感のあるJ-POPやアニソン、テンポの早い現代的な楽曲において、クリアでスピード感あふれる中音域表現を発揮します。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、ちょっと大人しめなボーカル表現です。低域のベースが若干強く感じられ、ドンシャリというよりL字型な鳴り方な気がします。「Final Distance」ではアップテンポでないだけ低域の張り出しは抑えられていますが、ボーカルの雰囲気はこちらの方が好みですね。
低域
NAGAOKA P609の低域は、超小型6.8mmダイナミックドライバーの優れた過渡応答と、4Hzまで及ぶ超低域スペックが合わさった、スピード感にあふれ締まりのあるタイトなレスポンスが特徴です。ブーミーに膨らむ量感型ではなく、輪郭が硬くクリーンなアタック感を重視したチューニングとなっています。
アルミ削り出しハウジングの高い制振性により余計な残響を引きずらず、バスドラムの踏み込みやベースラインの高速なピッキングを破綻なくタイトに描き出します。重低音の深い沈み込みをしっかりと感じさせながらも、中域への被り込みを一切排除したセパレーション能力の高さを発揮します。
ボトムをドシッと重く鳴らすのではなく、リズムのキレと俊敏なレスポンスで楽曲のドライブ感を力強く牽引する、ハイスピードで制動力の効いた低音域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域の沈み込みがズーンというよりボウーンという感じで、少し低域が強調されている気がします。ヴァイオリンの音は比較的おとなしく、声を張った時に相当するパートでもあまり音圧が上がる感じはしないです。Russell Watson の「Nella Fantasia」では、程よい低域の出でボーカルとのバランスも良い感じです。低域の沈み込みは、ドライバーの径なりの鳴り方をしている気がします。
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