
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | ダイナミック型(カナル型)Φ15 mm(大口径ダイナミックドライバー) |
| 再生周波数帯域 | 5 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 16 Ω(at 1 kHz / 1 mW) |
| 感度 | 111 dB/mW |
| ケーブル | 約1.3 m(Y型 / 固定式)Φ3.5 mm 金メッキステレオミニプラグ(L字) |
総評
アシダ音響 EA-HF1は、業務用音響機器の老舗が培った技術と実用美を凝縮した、15mm大口径ダイナミックドライバー搭載のフルレンジモデルです。
クロスオーバーネットワークを挟まない1DD構成により、音の濁りや位相の乱れがない極めて自然で素直なサウンドを実現。大口径ならではの豊かで迫力ある低域が楽曲のベースラインをどっしりと支えつつ、中高域まで歪みの少ないクリアで聞き心地の良いバランスにまとめ上げられています。過度な高域の主張や刺さりがなく、長時間のリスニングでも聞き疲れしません。
レトロで堅牢な樹脂ハウジングと高感度設計により、スマホ等でも力強く鳴らしきることが可能。質実剛健なデザインの中に高い音楽性と心地よい定位感を備えた、コストパフォーマンスに優れた実力派イヤホンです。
高域
アシダ音響 EA-HF1の高域は、15mmの大口径ダイナミックドライバー由来の過度な飾りのない素直でマイルドな質感が特徴です。最近の多ドライバーイヤホンに見られるようなBA(バランスド・アーマチュア)型の鋭い解像感や金属的な華やかさとは対極に位置し、刺激を抑えた自然で開放的な高域の伸びを見せます。
シンバルやハイハットの余韻、アコースティック楽器の高音成分は、カチッとした輪郭よりも自然な減衰と空気感を重視して描かれます。そのため、高音域の「刺さり」や金属的なシャリつき感が一切なく、長時間聴き続けても耳が疲れにくい聞き心地の良さがあります。
超高域までの派手な抜け感や見通しの良さを求めるユーザーには落ち着きすぎていると感じられる場合もありますが、楽曲本来のバランスを崩さずに中低域の厚みと自然に調和させる、質実剛健で上品な高域表現です。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、高域の伸びがありますが、声を張った時の表現が迫ってくるような音ではなく比較的そのまま伸びていく感じで好感が持てます。
中域
アシダ音響 EA-HF1の中域は、15mm大口径ドライバーが持つ豊かな空気感と歪みの少なさにより、ボーカルや主要楽器が温かみをもって艶やかに立ち上がる表現が特徴です。1DDフルレンジならではの繋ぎ目のない滑らかさがあり、声の質感や息遣いをナチュラルに捉えます。
低域の押し出しが強いモデルでありながら中域とのセパレーションが巧みで、低音にボーカルが隠れてしまうことがありません。特に男性ボーカルやチェロ、アコースティックギターといった低中音域の響きに深いコクがあり、人間の声の帯域を極めて聞き取りやすく描写します。
歪み感がなく素直な鳴り方をするため、音量を上げても耳障りな刺さりやざらつきが発生しません。誇張のないナチュラルな輪郭と程よい距離感で、作業用BGMやトーク配信・ポッドキャストのリスニングにも最適な安心感のある中域表現です。
Russell Watson の「Nella Fantasia」では、低域の音にボーカルが埋もれることなく聴こえます。若干、ボーカルに残響が載っている感じを受けますが、比較的聴きやすい中域です。
宇多田ヒカルの「Traveling」も同様の傾向ですが、解像度は比較的マイルドで、そこまでガリガリには聴こえません。
低域
アシダ音響 EA-HF1の低域は、15mmという超大口径ダイナミックドライバーがもたらす圧倒的なスケール感と豊かで自然な響きが最大の特徴です。イヤホンの枠を超えた大型ドライバーならではのゆとりある鳴り方により、胴鳴りのような低音のグルーヴ感と立体的な広がりを作り出します。
タイトで硬質な低音というよりも、スピーカーから空気を揺らして伝わってくるような柔らかく包み込むような低音域です。ベースラインやバスドラムの打音が重厚かつ豊かに響き、楽曲の土台をしっかりと支えます。
過度に低域だけを強調したドンシャリ的なチューニングではないため、膨らみすぎず上品な質感をキープ。1DDフルレンジ特有の歪みのないクリアな解像度により、超低域から低域にかけての音の繋がりが極めてスムーズで、アコースティックな臨場感と音楽の心地よさを存分に味わえる仕上がりです。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域のズーンという音がかなり出ています。タイトな響きではなく、素のままの感じなのでちょっと大きく聴こえるかも知れません。TA1 MAXと出方は似ていますが、こちらの方がより自然な感じです。
コメント