
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 1DD + 1BA(ハイブリッド型) ・10mm ベリリウムメッキダイナミックドライバー(低域〜中域) ・Knowles 33518 バランスド・アーマチュア(高域) |
| 再生周波数帯域 | 10 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 22 Ω |
| 感度 | 102 dB |
| ケーブル | 0.75mm 2pin(TRN QDCタイプ)3.5mm ステレオミニプラグ |
総評
TRN TA1 MAXは、Knowles製BAと10mmベルリウムメッキDDのハイブリッド構成にセミオープン構造を融合させた、コストパフォーマンスに優れるIEMです。
高剛性なベルリウムメッキ振動板が生み出すタイトでレスポンスの早い低域と、Knowles製BAによる緻密で繊細な高域が見事に調和。セミオープン(半開放)構造の採用により、密閉型特有の耳への圧迫感を軽減し、横方向へ伸びやかに広がる自然な音場とクリアな抜け感を実現しています。
低音の量感で押すタイプではなく、メリハリの効いたサウンドと明瞭な音の分離感を重視したチューニングです。アルミ合金仕上げの重厚な金属シェルによる余分な共振の抑制と相まって、アコースティック音源からテンポの速い現代曲まで、細部まで見通し良く見せる解像感の高さが際立つ完成度の高い一品です。
高域
TRN TA1 MAXの高域は、Knowles製33518バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーとセミオープン構造の組み合わせによる非常に高い解像感と伸びやかで透明感のあるトーンが特徴です。音の輪郭がシャープに立ち上がり、シンバルの澄んだ余韻や微細な余韻のニュアンスまで克明に描き出します。
BAドライバー特有の細やかでスピード感のあるレスポンスを誇りながら、リアハウジングのベント(半開放構造)によって不要な圧迫感や高域の不快な刺さりが巧みに抑えられています。そのため、音数が多く刺激的になりがちな楽曲でも耳当たりが良く、スムーズな抜け感を楽しめます。
金属シェルの優れた制振性と相まって歪み感が少なく、クリアで明るい音色を持ち、ボーカルの倍音成分や弦楽器の澄んだ響きを際立たせる上質で洗練された高域表現です。
キャスリーン・バトルのアルバム「Grace」では、十分に伸びきった高域が堪能できます。
中域
TRN TA1 MAXの中域は、10mmベルリウムメッキダイナミックドライバーの素早い応答性と半開放構造により、ボーカルや主要楽器の輪郭がクッキリと際立つクリアなトーンが特徴です。低音域への滲みがなく、ヴォーカルがすっきりと前面に定位します。
着色感(癖)の少ないニュートラルでドライ寄りの質感を持っており、男性ボーカルの力強い響きから女性ボーカルの伸びやかな高域まで、着色なくストレートに描写します。アコースティックギターの弦の弾きやピアノの打鍵感も立体的に再現されます。
セミオープン仕様が生み出す適度な空間の広がりにより、音が中央に凝縮しすぎず、密閉型特有の圧迫感や中低域の不快なモヤつきを感じさせません。原音の忠実さと高い分離感を求めるリスナーに最適な、見通しが良く見易い中域表現です。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、音の分離は良好ですが、奥行きが少し感じられない感じです。「Final Distance」でも傾向は同じです。
低域
TRN TA1 MAXの低域は、10mmベルリウムメッキダイナミックドライバーが生むタイトでスピード感のある高レスポンスな鳴り方が最大の特徴です。ベルリウムメッキ振動板特有の高い剛性により、低音のボワつきや不要な膨らみを徹底的に抑え、クリアで引き締まったアタック感を提供します。
ベースラインやバスドラムの刻みは非常にシャープで、音の立ち上がりと引きの早さが優れています。量感で押し出すパワー型の低音ではなく、音の輪郭と分離感を重視したチューニングとなっています。
リアハウジングに配されたベント(セミオープン構造)により、低音の密閉圧や不快なこもり感が軽減され、超低域まで見通しの良い自然な沈み込みを実現しています。中高域を濁らせることなく、楽曲全体のリズムとスピード感を的確に支える上質でスマートな低域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、ズーンと響く低音がかなり目を引きます。10mmのドライバーの中ではかなり低域が強調されていると言えるかもしれません。
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