
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 1DD + 8BA(片側9ドライバー / 3ウェイ構成) ・低域:10mm CNT(カーボンナノチューブ)振動板ダイナミックドライバー × 1 ・中域:50060 バランスド・アーマチュア × 4 ・高域:30095 バランスド・アーマチュア × 4 |
| 再生周波数帯域 | 7 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 22 Ω |
| 感度 | 106 dB/mW |
| ケーブル | 0.75mm 2pin(QDCタイプカバー付き)3.5mm ステレオミニプラグ |
総評
TRN VX Proは、1DD(10mm CNT振動板)+ 8BAの計9ドライバー構成を航空宇宙グレードのマグネシウム合金筐体に収めた、圧倒的な情報量と派手やかで緻密なサウンドステージを誇るフラッグシップハイブリッドモデルです。
片側9基のドライバーによる濃密でクリアな解像感が最大の特徴で、微小なディテールや空間のグラデーションを高次元で描き出します。多ドライバーながらクロスオーバーが緻密に調整されており、アグレッシブでスピード感溢れる高域、粒立ちの良い明瞭な中域、そしてCNT振動板による深く引き締まった低域が見事に融合しています。
金属筐体の制振性も手伝い、音の濁りを徹底的に排除した寒色寄りの派手やかなV字・ドンシャリ傾向に仕上がっています。圧倒的な音響スペックと明瞭な高解像度サウンドを存分に堪能できる、満足度の高いパワフルな1本です。
高域
TRN VX Proの高域は、片側4基配置された高域用BA(30095)と金属筐体がもたらす、圧倒的な解像感とキラキラとした派手やかな伸びが際立つハイスピードなサウンドが特徴です。多ドライバー構成ならではの細かな音響ディテールを余すことなく描き出します。
ハイハットやシンバルの金属的なアタック音覚や高域の打撃感が極めて鋭く明瞭で、音の立ち上がりと抜けの良さが爽快感を演出します。アコースティック楽器の倍音や微小なニュアンスまで繊細に拾い上げ、音場全体に見通しの良い広大な空気感とクリアな輝きを与えます。
非常に刺激的で明瞭なアグレッシブさを持つため、解像度重視の楽曲やスピード感のある音源で圧倒的なパフォーマンスを発揮します。圧倒的な情報量と派手やかさで高音域の魅力を前面に引き出す、高解像度志向の力強いチューニングです。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、歌詞の聴き取りが容易に出来、ボーカルとヴァイオリンとの掛け合いをしている様な感じを受けます。どちらの音もくっきり聴き取れます。ボーカルの伸びも申し分なく、声を張った時でも辛い感覚を感じませんでした。
宮本笑里の「Marina Grande」は、ヴァイオリンの音が心地よく、バックの細かい音まで拾ってくれています。
中域
TRN VX Proの中域は、4基の中域用BA(50060)によって実現される、音の粒立ちが極めて明瞭でボーカルや主旋律が鮮やかに引き立つサウンドが特徴です。多ドライバー構成ならではの濃厚な音響ディテールと見通しの良さを両立しています。
マグネシウム合金筐体の高い制振性により、低域からの被りや混濁が一切なく、ボーカルの吐息や弦楽器の細かいニュアンスがくっきりと浮かび上がります。やや前傾気味の位置関係で定位し、埋もれることなく前面に出てくるため、楽曲のメインメロディをストレートに聴かせてくれます。
質感はやや寒色系でドライかつシャープに引き締まっており、余計な甘さを排した解像度優先のセッティングです。スピード感あふれる楽曲や情報量の多い現代的な音源において、各パートの分離感とクリアさを抜群のパフォーマンスで描き出す中音域です。
Rassell Watsonの「Nella Fantasia」では、ボーカルが若干膨らんでいる感じを受けますが、全体的に聴きやすいです。
宇多田ヒカルの「Traveling」は、若干ボリュームを上げ気味で聴きましたが、くっきりしたボーカルでした。長時間聴いても疲れる感じは受けませんでした。「Final Distance」は冒頭のリップノイズもしっかり表現し、歌詞も聴き取りやすかったです。好みの音でした。
低域
TRN VX Proの低域は、10mm CNT(カーボンナノチューブ)振動板ダイナミックドライバーがもたらす、深みのある沈み込みとタイトなレスポンスを高次元で両立したパワフルなサウンドが特徴です。
CNT素材特有の軽量・高剛性な特性により、ボワつきや余剰な膨らみを抑えた非常に立ち上がりの速いアタック感を実現しています。重低音(サブベース)領域までしっかりとした芯と重量感を持って響き渡り、バスドラムの打撃やベースラインのグルーヴを力強く表現します。
マグネシウム合金筐体による優れた制振性と相まって、量感がありながらも中高域へ干渉することが一切ありません。多ドライバー(BA8基)の繊細で明瞭な中高域をしっかりとボトムから支え、音場全体にパワフルなスケール感と豊かな安定感を与える引き締まった低音域です。
Rassell Watsonの「Nella Fantasia」では、低域の沈み込みが派手にならず適度な沈み方をしてくれます。比較的低域はボーカルの最中でも聴こえますが、被るような事はありませんでした。
宮本笑里の「Marina Grande」は、低域の沈み込みがしっかりとあり、また収束も比較的早いため低域が主張しすぎるという事はありませんでした。好きな低域表現です。
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