
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 1DD + 1BA ・10mm 二重磁気回路ダイナミックドライバー ・30095 カスタム バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー |
| 再生周波数帯域 | 7 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 25 Ω |
| 感度 | 112 dB |
| ケーブル | 0.75mm 2pin(QDC/カバー付き Type-Cコネクタ対応)(3.5mm L字プラグ) |
総評
KZ ZSN Pro Xは、改良型10mm二重磁気回路DDと30095カスタムBAを搭載し、高精度なアタック感と解像度を誇るエントリーハイブリッドの代表モデルです。
サウンドの根幹は、強烈なキックや沈み込みを見せる躍動的な低域と、BA特有のエッジが立った鮮烈な高域が主張する、明確なドンシャリ(V字シェイプ)傾向にあります。前作から中低域のレスポンスと音場表現がブラッシュアップされており、ボーカルはやや引き気味ながらもクリアさをキープします。ロックやEDM、アニソンなどスピード感と刺激が求められる楽曲で圧倒的な解像感と爽快な疾走感を発揮します。
高域の主張や金属的な響きには好みが分かれる面もありますが、亜鉛合金フェイスプレートと標準付属の銀メッキケーブルによる完成度の高さも含め、「メリハリの効いた派手な音」を突き詰めたパワフルな1機です。
高域
KZ ZSN Pro Xの高域は、ノズル近くに配置された30095カスタムBAドライバーによる、非常に華やかで刺激的な高解像度サウンドが特徴です。シンバルやハイハットの打ち込み、エレキギターの倍音成分をくっきりと浮き彫りにし、圧倒的な明瞭度とスピード感のあるキレを生み出します。
付属する高純度銀メッキケーブルの効果も手伝い、音の輪郭がシャープで立ち上がりが鋭く、楽曲全体にギラつきを伴う圧倒的なスピード感と透明感を与えます。非常に見通しが良い一方で、ハイバリューなドンシャリ傾向ゆえに音源によっては金属的な響きや刺さりが強調される場面もあります。
マイルドさよりも解像感やアタック感を重視した明瞭なチューニングであり、ロックやアニソン、電子音主体の楽曲において、刺激的で脳裏に刺さるような爽快感溢れる高音域表現を誇ります。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、バトルの声を張った時の伸びもさることながら、バックのヴァイオリンもかなりの主張をしてくるので華やかな高域という事が言えると思います。ただ、声を張った時の圧力は BC01 Melody よりもおとなしく、強烈な高域というわけでもないと思います。
中域
KZ ZSN Pro Xの中域は、強烈な低域と主張の強い高域に挟まれたV字バランスの中で、くっきりとした輪郭とドライでスピード感のある描写が特徴です。定位はやや引き気味(一歩引いたポジション)に配置されますが、30095 BAの高い解像力によってボーカルの子音や呼吸感がクリアに浮かび上がります。
10mm二重磁気ダイナミックドライバーの素早い応答性により、重厚な低音域が中域へ被さる「濁り」を回避しており、分離感に優れた見通しの良さを確保しています。全体的に温かみや艶感を強調するタイプではなく、カラッとした解像感重視のドライな質感です。
しっとりとしたバラードなどではウェットさに欠ける面もありますが、アップテンポなロックやポップス、アニソンにおいては、男性・女性ボーカルともに埋もれることなくスマートに描き出す、見通しの良い中域表現です。
Russell Watson の「Nella Fantasia」では、バックのコーラスもそれなりに主張するなど、比較的主張の多い中域だと思います。
宇多田ヒカルの「Traveling」は、若干ぽっかりと空気感が抜けている様に感じられる部分もあります。楽曲自体は高域の主張が強い様に感じられます。
低域
KZ ZSN Pro Xの低域は、ギャップ幅を最適化した10mm二重磁気回路ダイナミックドライバーが繰り出す、沈み込みの深さとパンチ力を兼ね備えた力強いアタック感が特徴です。サブベース帯域の重低音からミッドベースにかけて豊かな量感と圧力を確保し、楽曲全体へダイナミックな推進力を与えます。
二重磁気構造ならではの強い磁力によって音の立ち上がりと収束が素早く、重厚でありながらボトムが膨らみすぎない締まりのあるキレを誇ります。エレキベースの低音線やキックドラムの打撃音がタイトに引き締まっており、中域への不要な被り込みを回避してクッキリとした分離感を実現しています。
タイトかつ重厚なボトムエンドは、スピード感やアタック感が求められるロック、EDM、ダンスミュージックのビートを強烈にドライブさせる、エネルギー感に満ちた低域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域の沈み込むズーンという音の表現はおとなしく、どちらかというとヴァイオリンの響きの方が勝っているという感じの低域です。
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