
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 3DD(ダイナミックドライバー×3) ・10mm 二重磁気ダイナミックドライバー×1(中低域) ・6mm シングル磁気ダイナミックドライバー×2(高域) |
| 再生周波数帯域 | 20 Hz – 40,000 Hz |
| インピーダンス | 25 Ω |
| 感度 | 116 dB/mW |
| ケーブル | 0.75mm 2pin(qdc型 / Type-C 突起形状)3.5mm L字プラグ |
総評
KZ DQ6Sは、海外の人気オーディオレビュアーHBB(Hawaiian Bad Boy)とのコラボレーションにより、オリジナルDQ6の構成(3DD:10mm×1、6mm×2)をベースにサウンドを再定義した実力派モデルです。
最大の特徴は、オリジナル版で時に指摘された高域の鋭さや刺さりを巧みに抑え込み、滑らかで聴き疲れのない音響バランスへとシフトさせた点にあります。サブベース(超低域)の沈み込みと重厚なインパクトが強化され、厚みのある自然なボーカル域と調和することで、深みと温かみを感じさせる上品なVシェイプサウンドを実現しています。
HBBロゴが刻印された洗練されたメタルプレートと透明感あるシェルの質感が所有欲を満たします。トリプルDD特有の音のつながりの良さとスケール感を活かしつつ、長時間のリスニングにも適したバランスへと進化を遂げた完成度の高い1本です。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、少し低域の主張が強い感じを受けます。中域のボーカルは少し引き気味で、高域が少し主張する、そんなバランスに聴こえます。これは、ケーブル(JSHiFi Hi8 4.4mm)の影響もあるかもしれません。
高域
KZ DQ6Sの高域は、アレイ配置された2基の6mmダイナミックドライバーを搭載しながらも、HBBコラボによる音響ダンパー調整によって刺さりを極限まで抑えたマイルドで滑らかな質感が特徴です。オリジナルのDQ6にあった金属的な高域の鋭さやエッジ感を優しく削ぎ落とし、長時間のリスニングでも耳が疲れにくい上品な音色に仕上がっています。
シンバルやアコースティックギターの高域成分は、カリカリとした主張を控えめにする代わりに、ダイナミック型ならではの空気感と自然な減衰(余韻)をしっかり残しています。高域の刺激を抑えたことで、音源の解像感を損なうことなく全体の見通しの良さをキープしています。
金属音のアタック感を求める人にはやや大人しく感じられる可能性もありますが、高音域の刺さりが苦手な方や、ボーカルと低域の表現をクリアかつストレスなく楽しみたい方に最適なチューニングです。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、高域の声を張った場合でも刺さるようなことは無く、素直に伸びていきます。
中域
KZ DQ6Sの中域は、高域のシャープさを抑えたことでボーカルが前に押し出されるような厚みと温かみが強く感じられる音響設計となっています。10mmダイナミックドライバーが描く重厚な低域の上に乗ることで、特に男性ボーカルの豊潤な響きやチェロ・サックスといった低中音域の楽器に艶やかな生々しさが宿ります。
オリジナルのDQ6と比較すると、中高域の余計な張りが打ち消されているため、女性ボーカルのアタック音や「サ行」の刺さりがほとんど発生しません。ボーカルや主要メロディの音像が太くグラマラスに描写され、楽曲の持つ感情表現をストレートに伝えてくれます。
凹みが少なく自然な位置に定位するため、ポップスやR&B、アコースティック音源において、ヴォーカルとバックバンドの一体感を存分に味わえる、心地よく滑らかな質感の中域表現です。
Russell Watson の「Nella Fantasia」では、低域が若干ボーカルに被る部分もありますが、概ね聴き取りやすい中域だと思います。
低域
KZ DQ6Sの低域は、HBBコラボレーションの真骨頂とも言えるチューニングで、サブベース(超低域)の沈み込みと重厚なグルーヴ感が前面に打ち出されています。10mm二重磁気ダイナミックドライバーが駆動することで、地響きのように深く重い低音を生成し、楽曲全体の土台を力強くどっしりと支えます。
アタック感は丸みのあるマイルドな当たりですが、量感と押し出し感がしっかりとあるため、バスドラムのベースラインやヒップホップ・EDMの重低音フレーズを迫力満点に表現します。低域の量感は豊かですが、中低域にかけての膨らみがコントロールされているため、ボーカル帯域を曇らせるようなこもり感はありません。
タイトでシャープな低音というよりも、ダイナミック型らしい温かみと包容力のあるリッチな低域表現であり、音楽のグルーヴ感に深く没入させてくれる仕上がりです。
宮本笑里の「Marina Grande」では、沈み込む低域がズーンという感じで鳴りますが、少しぼわついている感じを受けます。
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