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Geek Wold GK12 Ultra

項目値
ドライバー片側6ドライバー(総計12ドライバ)
・2 × ダイナミックドライバー(DD:低域等)
・2 × PZT(圧電 / 骨伝導)ドライバー
・1 × バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー
・1 × 平面駆動(Planar)ドライバー
再生周波数帯域20 Hz – 40,000 Hz
インピーダンス24 Ω
感度107 dB
ケーブル0.78mm 2ピン(フラット型)(3.5mmプラグ仕様など)
目次

総評

GK12 Ultraは、2DD+2PZT(圧電骨伝導)+1BA+1Planar(平面駆動)という片側6基・4種異種ドライバーを搭載し、物量と圧倒的な個性で魅せるマルチハイブリッドIEMです。

サウンドの核は、2DDと骨伝導が繰り出す厚み溢れる沈み込みと箱鳴りのようなウネリを持つ、圧倒的な量感のウォーム系低域にあります。ハイブリッド特有の硬さや刺さりを巧みに抑え、濃密でパンチのある低音をベースにW字型のダイナミックな音調を構築。ボーカルや高域は低音の裏へ埋もれず、平面駆動やPZTが独自の質感と立体的な定位感で独特のきらめきと存在感を主張します。

原音忠実な解像度を追求するタイプではありませんが、異種ドライバーの個性が織りなすディープでジャンキーな没入感が癖になる、唯一無二のエンタメ性に特化した1機です。
個人的には、あまり音楽に没入できないタイプの音でした。

高域

GK12 Ultraの高域は、カスタムBA・平面駆動(Planar)・PZT(圧電・骨伝導)という複数の異種ドライバーが補う、カドの取れた滑らかさと予期せぬきらめきが同居する個性的な高音域が特徴です。強烈な低音を軸にしたウォームな音調において、高域が埋もれず上端のディテールをしっかりと提示します。

金属的な刺さりやジャリつきを抑えたサラサラと耳当たりの良い質感で、シンバルの響きや装飾音を美しくキラリと引き立たせます。一つのドライバーでリニアに伸ばす自然な広がりというより、多方式ドライバーが部分的に高音の粒子を散りばめるような立体的な立ち位置と質感表現が独特です。

刺さりのない聴き心地の良さを保ちつつ、平面駆動やPZTならではの繊細な輪郭と透明感をアクセントとして加えることで、濃厚な低音の圧力の中でも高域の見通しと遊び心を損なわない秀逸なチューニングです。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、高域の伸びは今一歩という感じを受けますが、声を張った時などは必要以上に高域が膨らまず、ぎりぎりの線で収まってくれています。

中域

GK12 Ultraの中域は、2基のダイナミックドライバーが放つ圧倒的な低音の波と、高域側の様々なマルチドライバーに挟まれながらも、独自の厚みとアナログライクな温もりを宿したボーカル表現が特徴です。定位はやや近〜中景に位置し、分厚い低域の土台の上にしっかりと肉感のある声や楽器の胴鳴りを乗せてきます。

原音に対してフラットで淡々と鳴らすタイプではなく、PZT(骨伝導)やダイナミックの質感が絡み合うことで、ボーカルの息遣いやアコースティックギターの響きに独特の潤いと体温を感じさせるウェットな質感を与えています。分厚い低音に声がマスクされがちな楽曲ではやや押し込まれる場面もありますが、中域全体のウォームで濃密なエネルギー感が音楽全体にライブ感とエモーショナルな熱量をもたらす、聴きごたえ抜群の帯域です。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、一般のイヤホンと鳴り方が違うという印象を強く受けました。ボーカルが目立つのですが、バックの音が細かくシャカシャカと鳴っている感じです。細かく音は出ているのですが、全体から乖離している様なイメージです。

低域

GK12 Ultraの低域は、2基のダイナミックドライバーとPZT(圧電・骨伝導)ドライバーのコンビネーションが創り出す、圧倒的な量感と箱鳴りのようなディープな重低音が最大のハイライトです。サブベースからミッドベースにかけて底知れぬ厚みと広がりを持ち、楽曲の土台を文字通り地響きのように支えます。

タイトに引き締まったスピード重視の低音ではなく、リッチでウネリを伴うウォームかつエモーショナルな鳴り方が特徴です。PZT骨伝導による皮膚を伝わるような独特の体感的な圧力が加わることで、単なる数値上の低音の強さとは異なる、ライブハウスやクラブのフロアにいるかのような圧倒的な臨場感とライブの熱量を空間全体に充満させます。

重低音の豪快な包容力と身体を揺さぶるような圧倒的な推進力で、ベースラインやバスドラムの存在感を極限まで高めてくれる、強烈な個性を放つ低域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、若干腰高な感じを受けますが低域の沈み込みはそれほど強くなく、軽めの低域の印象を受けました。むしろ中域の張り出しが強いと思います。
Russell Watsonの「Nella Fantasia」でも傾向は同じで、低域よりも中域の方が良く鳴っている感じです。

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