
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ドライバー | 1DD + 2BA(チタン振動板10mm DD ×1 + カスタムBA ×2) |
| 再生周波数帯域 | 20 Hz – 20,000 Hz |
| インピーダンス | 18 Ω |
| 感度 | 114.5 dB (at 1kHz) |
| ケーブル | 0.78mm 2pin(リケーブル対応)3.5mm ステレオミニ / 4.4mm バランス |
総評
TANGZU DUFU VERSE IIは、中国の偉大な詩人「杜甫」の名を冠し、伝統的な美学と現代の音響技術を高次元で融合させた1DD+2BAハイブリッド構成のIEMです。
筐体には天然の黒檀(エボニー)と重厚な真鍮(ブラス)シェルを採用。真鍮特有の自然な響きと高密度な筐体設計により、歪みの極めて少ない余韻豊かなサウンドを実現しています。チタン振動板10mmダイナミックドライバーが深みとパンチのある低域を叩き出し、2基のカスタムBAが滑らかで透明感のある中高域を描き出します。唐族が得意とするボーカルの艶やかさと伸びの良さが際立ち、帯域ごとの繋がりも非常に自然です。
美しいビルドクオリティ、充実した付属イヤーピース(唐三彩等)、そして音のまとまりの良さを兼ね備え、所有欲と聴き心地の双方を高い次元で満たすコストパフォーマンスに優れた実力派モデルです。
因みに、個人的にはお気に入りの一機で、ウッドのFP、真鍮の筐体なところが非常に所有欲を満足させてくれます。
音の方も好みの感じで鳴ってくれます。聴いてて安心感がある一機ですね。
高域
TANGZU DUFU VERSE IIの高域は、カスタムバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーが担う高い透明感とシルキーで刺さりのない繊細な質感が特徴です。BA特有の精緻な解像感を活かしつつも、金属的な耳障りさや刺さりを徹底的に抑えた見事なチューニングが施されています。
真鍮(ブラス)シェルの制振・余韻特性により、シンバルやハイハットの打音、ヴァイオリンの倍音成分が自然でみずみずしい広がりを見せます。音の粒子が細かく、超高域にかけて滑らかに伸びていくため、空間の空気感や音場の見通しの良さをしっかりと確保しています。
高域だけが過剰に主張して中低域と乖離することがなく、1DDとの帯域バランスが非常に優れています。派手な煌びやかさで聴かせるタイプではなく、音源の細部を美しく描き出しながら長時間の鑑賞でも聴き疲れしない、品格ある質感豊かな高域表現です。
キャスリーン・バトルの「Rejoice Greatly」では、真鍮の筐体と相まって高域が気持ちよく伸びていきます。声を張った時はそれなりの音圧になりますのでちょっと辛い部分もありますが、全体的に気持ちよく聴けます。
中域
TANGZU DUFU VERSE IIの中域は、同ブランドの代名詞とも言える美しく伸びやかなボーカルと艶のある中音域表現が最大の魅力です。真鍮シェルの高密度で自然な響きが加わることで、ボーカルや主要アコースティック楽器に心地よい温かみと適度な肉厚感がもたらされます。
位置関係は近すぎず遠すぎず絶妙なポジションに定位し、歌い手の息遣いや声のニュアンスを繊細かつ立体的に描き出します。中高域への繋がりも非常にスムーズで、女性ボーカルのハイトーンでも刺さりや途切れ感を与えることなく、すっきりと伸びていきます。
解像感の高さを維持しながらも角のない滑らかな質感に整えられており、アコースティックギターの爪弾きやピアノの打鍵音もリッチに響きます。楽曲の感情線を豊かに表現し、聴き手を惹きつける魅力に溢れた中域表現です。
宇多田ヒカルの「Traveling」では、低域のベースを感じつつボーカルはしっかり強調してくるという聴いていて安心感があります。
Russell Watsonの「Nella Fantasia」でも傾向は同じで、真鍮の筐体の影響が大きいと思います。
低域
TANGZU DUFU VERSE IIの低域は、10mmチタン振動板ダイナミックドライバーが繰り出す深みのある沈み込みと重厚かつキレのあるアタック感が特徴です。チタン振動板ならではの応答性の良さと高い制動力が発揮され、ボトムの重みをしっかりと表現しながらも野暮ったい膨らみを排除しています。
サブベースの深い重低音からミッドベースにかけて適度な量感と弾力を持たせており、バスドラムの力強い打撃音やベースラインのグルーヴを解像度高く描き出します。真鍮シェルの制振性能が寄与し、不要なボワつきや低音の残響による濁りが発生しません。
中域(ボーカル帯域)へ被さることのない優れたセパレーションを保ち、楽曲全体の土台を力強くかつスマートに支えます。ハイブリッド構成の良さを活かし、低域の重厚さと全体のスッキリとした透明感をハイレベルで両立させた低域表現です。
宮本笑里の「Marina Grande」では、低域の沈み込みがしっかりあり、且つぼわつかない感じで丁度よく感じられます。バランス的には秀逸だと思います。ただヴァイオリンの音が若干きつめに感じられる(主旋律だからしょうがない部分もありますが)ところもあり、ボリュームをやや絞り気味で聴いた方が心地よいと思われます。
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